シートあれこれ



photo:ノーマルシート

 ベンちゃんのノーマルシートはこれだ。噂によるとレカロが設計したとか製造したとのことである。決して悪いシートではないし、運転席側には座面調整もついている。しかし、腰痛持ちの私としては本家レカロのシートへのあこがれがあった。

 あと、些細な問題ではあるが、リクライニングレバーが片側(ドア側)にしかないので子供が助手席で寝てしまったときに面倒なのと、座面と背面にすき間があって地図やコンビニで買った雑誌をポンと置いたときにあっという間に滑り落ちるということがあった。クルマの出来不出来とは別次元の問題ではあるが、長く乗り続ける個人ドライバーにとっては大事なことなのである。

 乗り始めて数年たった頃、パーテーションを外したことをきっかけに念願のレカロシートに付け替えた。

 ちなみに、外したノーマルシートは家でPC用のイスとして使っている。

photo:レカロシート初代と二代目

 本当だったらサイドサポートが低いオルソペドとかAM31とかがいいのだろうが・・・30万円も出せる訳が無く、当初装着したのは一番安くて何の変哲もないモデル。たぶんSシリーズなのだと思う。それまでの背中直立・座面前向きからいきなりのレーシングスタイルに大分悩んだが、試行錯誤の末モモのあたりを下げて自分好みのポジションが見つかった頃には、これなしではいられないようになっていた。

 Sシリーズで不満があったとすれば、ホールドが良すぎて夏場に尻が沸騰するということだろう。暑がりなこともあってこれは本当につらかった。装着をお願いしたクルマ屋さんに聞いても「ホールドがいいバケットシートでは仕方がない」と言われ、確かにその通りなので我慢したがやはり限界。夏場に1時間以上走るときは空気層ができる座布団を使っていた(レカロに座布団!!)。おかげで座面調整の効果が非常に大きいことがわかった。

 その後ひょんなことからDシリーズの左右セットが手に入り、それと交換した。Dシリーズは電動で座面調整ができるので非常に便利である。

photo:シート交換中

 床面というかシート取り付け面はきれいにフラットで、そこから座面までは結構離れているので、シートレール加工の自由度は高い。

 余談だが、この状態のときに工場敷地内を数メートル移動することになった。最初はこれで運転してみようかと思ったが・・・やはり怖くて断念した。ATだったらイケたカモ。

photo:S

 外したシートはやはりPC用として使っている。

photo:レカロヴェントもどき

 お尻の熱さ対策で、PC用のファンを二つ並べて座面裏に設置した(レカロヴェントもどき)。単に風を座面裏に当てるだけのものだが・・・信じる人には効く。

 春や秋などはとても快適。夏場は「全然駄目ダー」と頭にきてスイッチを切るともっと熱くなるから一応は効いているようだ。

 後日、2号車にD-Vを装着し本物のレカロヴェントも体験してみたが、あちらは熱・湿気を吸い出すようなシステムでまったくの別物。“もどき”は機能面ではかなわないが、コストパフォーマンス面ではいい勝負である。

photo:D-助手席

 この頃は週に1回乗るか乗らないかという状態で、バッテリーをよく上げてしまっていた。ベンちゃんのバッテリーは助手席下にあって、メンテやジャンパをするときには助手席を外さないといけない。そこで、助手席用のレールは蝶番をつけてもらい、工具なしで跳ね上げできるようにしてもらった。ノーマルのレールやふたを外した穴を使い、車体には加工はしていない。

photo:D-助手席

 跳ね上げるとこんな感じ。助手席の左後ろについているのは後席用のスピーカー。



photo:S-GLリアシート

 そしてリアシート。ベンツトランスポーターはもともと二人乗りでリアシートは付いていない。T1Nのカタログにはオプションで折り畳み式のリアシートも載っているが、1991年モデルのカタログには載っていなかった。

 私のクルマは「リアシート追加で5人乗り・荷室をできるだけ広く」とだけ指定しておいたのだが、運良く未使用のハイエースSuper-GL用リアシートが付いてきたのは前にも書いたとおり。S-GL用のシートはワゴンと比べればもちろん負けてしまうのだが、いざというときにフロントシートの後ろに畳むことが出来るバン用のシートとしては非常に良く出来ている。

photo:ACTIVEシートプレート

 当初は床に直接ボルト止めされていたが、オートバイを2台〜3台まっすぐ積むためにはもっと前方にしたいし、1台だけでいいから居住性を高めたいときにはもっと後方にずらしたい。いろいろと試していたがここ数年は ACTIVE から出ているシートプレートを使っている。鉄材にいくつかねじを切った穴があいていて、10cmずつ前方に3段階と後方に1段階移動できるというもの。スライド機構はなく、ボルトを外して移動しボルトで止める。

photo:ACTIVEシートプレート

 後ろ側はこんな感じ。写真は赤み(泥汚れ)が強調されているが実際にはもう少し白い(・・・言い訳)。

 フックが引っかかる銀色の部分はハイエースの部品。シートを移動するときにはこの部品も外して移動するのだが、面倒なので買い足してあらかじめボルトで止めておいた。ちなみにハイエースは1998年にマイナーチェンジがあり、この部分が横から縦に変更になっている。シートプレートも今では2種類あるようだ。

photo:レカロ100%

 一時はS-GLリアシートを外し、マンテンのアングル(ホームセンターで売っている棚を作るための金具)を使ってフレームを組み、やはり中古のAM-19(ST-JJ)を載せていた。「前のイスだけ豪華でずるい」という家族の声を汲み取り、将来はAM-19を3つ並べて5席全部レカロにすれば格好いいだろうななどと考えていたのだが、資金難でとてもあと2つ買うことなどできなかったこと・ゴロッと横になることができないなどの理由で中止した。座り心地は最高であったが、寝心地や積み心地(?)が今ひとつだったということか。特にベンちゃんでは積み心地は大事である。

 AM-19は現在は2号車の助手席になっている。

photo:レカロ100%

 チャイルドシートを載せているのはノーマルの助手席。ふつうのイスよりも座面が高く、これにチャイルドシートを組み合わせることで眺望はとても良かった(らしい)。

photo:B-747

 理想のリアシートは・・・これだ。ボーイング747の3人掛けシート。

 飛行機のイスって苦痛の代名詞のようにもなっていて、離陸してシートベルトのサインが消えると同時に前のイスがぐぐっと倒れてきて「コノヤロー」とか「テメエ、少しは遠慮しろよ」なんて思ったり、着陸間際になってリクライニングを戻すと自分でもびっくりするぐらいに背中が垂直になって緊張を強いられたりするのだが、このタイプのイスの時は座った瞬間からホッとする。他の人の様子を見てみても、ほとんどの人がリクライニングをしていない。

photo:B-747

 これもレカロ製である。

photo:B-747

 座面はAM-19をさらにフラットにしたような感じ。リクライニングして寝るのもOK・・・だろう。アームレストが跳ね上がるので横になることもできる。

 問題は・・・売っているのを見たことがない。国際線のファーストクラスのシート(2人掛)は羽田空港の売店で見かけたが・・・

 もしあったとしても高いだろうなあ・・・


2001.06.28.