Garageキック

Bicycle No.4 子供用自転車/サイズを合わせる


 すぐに背が伸びてしまう子供に常時ぴったりのフレームを用意することは不可能だ。親としては出費を押さえたいから、やや大きめのものを選びたい。すると、買って半年程はサドルをめいっぱい下げることになる。シートポスト(棒の部分)の下の方を切って一杯に下げるまでは自転車屋さんでやってくれるが、それでも足りない場合にもう一つ方法がある。費用もかからずコツをつかめば10分程度で終わる「ローシート加工」を中心に、DYNO BLAZEで当ガレージが行った加工をご紹介しよう。


自転車のセッティングはライダーやライダーの保護者の方、また作業をする方ご自身の判断や責任で行って下さい。

photo:ノーマルで一杯に下げた状態  DYNO BLAZE(20inch BMXタイプ)のサドルを一杯に下げた状態。普通、自転車屋さんで調整してもらうとここまでである。

photo:サドルの裏側  スパナを使ってナットをゆるめ、シートポストを車体に残したままサドルと金具を外す。

photo:金具を全部分解  金具を全部分解する。分解する前にはデジカメで写真を撮ったり、メモをしておいたほうがいいだろう。

photo:金具を組み替える  金具を上下逆に組み替える。まず内側のプレートを2枚セットし、開き気味にしておいて中にU字型の金具を当てる。指でプレートをぐっと閉じていくと「バチン」とはまるので、横から穴が合っているか見てみる。ずれていたらドライバーなどを穴に入れて位置を修正する。あまりずれが大きかったらやり直した方が早いだろう。

 穴位置が合ったらシャフトを入れる。サドルの形状によっては横からシャフトが入れられない場合がある。柔らかいサドルなら手でぐっとめくれば入るし、堅いサドルだと金具組み付けのときにあらかじめ仕込んでおいて、徐々にずらしながら組むことになる。知恵の輪の様な感じで、何回か試せばたぶん入るだろう。当ガレージでは3台にこの作業をし、3台とも成功している。

 BMXレーサーのプラスティックサドルではたぶん無理だろう・・・

 シャフトが入ったら、外側のプレートを当ててナットで仮締めする。

photo:ローシート加工完成  サドルをシートポストに戻し、前後位置や角度を調整する。ノーマル時の前後位置や角度を覚えておき、それが自然に下がったようなセッティングにするといいだろう。調整が決まったら本締め。ノーマル時よりもナットが奥に入っているので、モンキースパナだとうまく締められないと思う。片目片口のスパナを使いたいところだ。

photo:ローシート加工前 こちらはローシート加工前。下の加工後の写真と比べると、その効果が分かるだろう。

 シート高は555mm→543mmと、12mm下がった。車種(金具)によってはもっと下がることもある。

photo:ローシート加工後 身長が伸びてきたらこのままシートポストを上げていけばよい。それでも一杯になったら金具を元に戻すか・・・いや、その頃には次のマシンにステップアップした方がいいだろう。シートやハンドルだけ上げてもホイールベースは変えられないし、クランクの長さやギア比なども合わなくなっているだろう。

photo:ハンドルバー  シートを下げるとハンドルとのバランスが変わってくる。そこでベストの高さになるようステムの高さを調整したり、ハンドルバーを交換する。

 DYNO BLAZEの場合はハンドルバーがやや高い。このハンドル高さに見合ったシート高(身長)になったときにはクランクがやや短いのではないかと思う。

 当ガレージでは2種類のハンドルを用意し、身長に合わせて交換している。一番下がDHバー(Bazooka)の幅を詰め、クランプ部のスペーサーを外したもの。まん中はキッズBMX用ミディアムバー(Answer)、上がDYNO BLAZEのノーマルバーである。

 BMXは普通の自転車と違いハンドルのクランプ部分が太くなっていない。なので普通の自転車用のハンドルバーは使えない。BMX専用のハンドルバーを使うか、クランプ部分がスペーサー式になっているMTB用ハンドルバーを使う必要がある。

photo:DYNO BLAZE  お兄ちゃんから譲り受けたDYNO BLAZEに、何も調整せずにそのまままたがるとこうなる。足はつかず、立ち上がってやっとハンドルを押さえられる。いかにも「お兄ちゃんの自転車によじ登っている」という感じ。

・モデルは5歳5ヶ月、身長はくつを履いて約108cm

・ローシート加工なし+シートポスト35mmアップ(シート高590mm)
・ミディアムバー+ステムを上に約20mm上げてセット

photo:DYNO BLAZE  ローシート加工とハンドルバーの交換を行い、シート・ハンドルバーともに一杯に下げるとこうなる。これなら無理なく乗れるだろう。もうすこし16inchで練習して、転ばずに止まることが出来るようになったらこちらに乗り換える予定。


(2000.10.24.)


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