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小学校のパソコン教室

 小学校の文化祭のようなものがあったので行ってみた。前半と後半に分かれていて、前半は理科室で実験を見たり体験させてもらったり。片栗粉が水の中で固くなったりやわらかくなったりするのが面白かった。糸電話も何十年ぶりかでやったけど、女房と何話していいか分からなくて「あーあー」だけしか言えなかった。

 後半はパソコン教室でアニメーション作りをやっていたので覗いてみた。生徒数が急増したため校庭に増築したプレハブ校舎の二階、壁に沿ってぐるりと机が並び、そこにWindowsXPのノートPCが2、30台置いてあって、子どもたちが楽しそうにアニメを作っている。ワシは20年以上PCやらなにやらやっているけど、自分でアニメを動かした経験はない。凄いもんだなと素直に思った。

 クライアントPCは制限ユーザー権限だったようでマイコンピュータすら見られなかったが、表示されているランチャーを見てみたら予想通り“阿波徳島”製で、「ワープロ」というアイコンをクリックしたら懐かしい“男の子”が出てきた。一般のビジネスシーンではほとんど見かけなくなってしまったが、こんなところで元気にしていたのか。

 何台か「練習用」と書かれたWindows98のノートPCがあったがネットワークにはつながっておらず、誰も使っていなかった。先生用のPCもWindows98で、こちらはネットワークにつながっている。先生が長い時間席を外していて、その間なにかあってはいけないと思い(ここ大事)コマンドプロンプトを開いて設定を見たりテストをしてみたが、その時点ではインターネットにはつながっていない様子だった。

 数年前の同じ学校のパソコン教室は、円形の机に5台ぐらいのPCがあって後ろから先生が教えている・・・というような雰囲気だった。たぶんワープロを打ってみるぐらいしか出来なかったのではないだろうか。以前第一子に聞いてみたことがあるが「壊れると困るからあまり触るな」って言われていたようだ。その頃のことが大昔のように思えてしまうこの光景だが、パソコンに慣れるという点では非常に良いと思うし、将来プレゼン用の資料作りをするときなどにこういった経験はきっと生きるのだろう。けど、何かが物足りない。児童用に作られたソフトを上手に使いこなすことと、インターネットを経験してみることしかやっていないんじゃないだろうか。

 これはゲームで例えると、「ソフトを買ってきてキャラとストーリーを作って面をクリアすること」と大差ない。ゲームをやるのにはビデオ端子付きのテレビを用意したり、端子とケーブルの色を正しく揃えて接続したらリモコンで入力系統を選択したりといろいろやることがある。たいていの子どもたちはこういったことは苦手ではなく、苦手でもゲームをやりたいために克服してしまう。そして、「片付けろ」と怒られるときれいに片付ける。

 おそらく業者が構築したネットワークにつながり、パソコンのスイッチを入れればいつもの画面になり、クラスと出席番号を入れれば前回の続きができるようになっているのだろう。それはそれで素晴らしいことだけど、たとえばそのPCをたまには自分たちの教室まで持ってきて、各グループのところにハブを置いてLANをつないでインターネットにつないでみる・・・とか、つながったら席がえをしてみるとかしてみてはどうだろう。知っている人が噛み砕いて教えれば、子どもにとってはそれは「コンセントを挿す」「テレビとゲーム機をつなぐこと」と同じぐらい簡単なことだと思う。そういうことを経験していないとセキュリティのことなんて説明してもまったく想像がつかず、単語の暗記ごっこになってしまうんじゃないかな。

 今はパソコンそのものが主題・目的になっている小学校のパソコン教室だが、おそらく数年後にはアニメーション作成ソフトは図工の授業で、インターネットは社会や理科の授業で使われるただのツールになるだろう。その時にパソコン教室はどうなっているだろうか。ただコンセントが沢山ある部屋でしかなくなるのか、それともユーザー側ではないエンジニアやプログラマーの卵が生まれるきっかけとなり、夢を与える部屋になるのか・・・どちらだろうか。

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