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12時間エンデューロ

 ウエストポイントの夏祭り12時間エンデューロに仲間と出場。このレースに出るのは6回目になる(去年は出なかった)。オフロードを走るのはなんと1年10ヶ月ぶり。久しぶりに会った仲間から「忙しそうじゃん」と言われる。忙しくはないけど普段の生活に手一杯で、趣味に打ち込む余裕がないのだ。今回も仕事のスケジュールや他の様々な用事や金銭的な問題などがあってかなり悩んだが、友人の協力もありなんとか前日までに準備が出来たので行ってみることにした。考えているときはあれこれ悩むが、最後はやるかやめるかのどっちかだ。

 借りた軽トラックにLC4を積んでレース会場へと向かう。昔ハイゼットに乗っていた頃を思い出して嬉しい気分になる。出発は予定よりも遅れて3時半になってしまったが、なんとか集合時刻の5時に間にあった。

 朝の車検場でワシの後ろにFREERIDE Magazineの三上編集長がいらしたので挨拶。以前モンド・モト(エンデューロプロショップ・・・特にKTMなら首都圏ではここしか考えられない)でお会いしたことがある。ワシのLC4を見て「凄いの持ってきましたね」と言われ「ワシいつもこれなんです」とお返事。「某所の○○さんって・・・ですか?」とお互い実は雑談仲間(?)だったことを確認しあったりする。来て良かったと思いましたな。

 2年近くもダートを走っていなかった(ひょっとしたらバイクそのものもずっと乗っていなかったかもしれない)が、身体はなんとか覚えていてくれたようでまあまあ普通に走れる(遅いけど)。このレースの目的は頭を取ることよりも怪我しないで12時間頑張って花火を見ることだから、これでいいのだ。ガソリン高と生活苦と環境対策が叫ばれる世の中でオフロードバイクに乗ることの意味を忘れかけていたが、オフロードビークルに乗る技術は人間が受け継いでいくべき技術である、と改めて思った。舗装道路しか走れないようでは人間は駄目だ。温暖化や燃料問題は技術で克服すればいい。今のバイクメーカーにその気があるのかどうかは知らないが。

 朝の1回目のライディングはそんな調子でほぼ順調に終わった。ライダーチェンジの時に「タッチしないと」と意識しすぎて立ちゴケしそうになったが・・・少し休んだ後はチームメイトや顔見知りに水をかけたりしてレースを楽しむ。

 途中他チームのXR100のオジサンが脱水症状を起こして熱中症寸前になっているのを助けた。チームメイトらしき人も駆けつけてきたけど、バイクの心配ばかりしていて水を飲ませたり体温を下げたりというのはすべてワシら他人がやっていた・・・ちょっと可哀想だったな。人目につく場所だからよかったが、もしコースの奥の方だったら危ないことになっていたかもしれない。過去には意識が朦朧としたまま水を求めて草むらに這っていき行方不明となり、そこで息絶えてしまったなんていう事故もあった覚えがある(別の河原で行われたレースだが)。ワシらも参加2回目の時にチーム員が熱中症になった経験があり、その時は救急車を呼ぶ寸前までいった。ついさっきまで元気だった人間が坂道を転がっていくボールのようにどんどん向こう側に行ってしまうのは恐ろしいものだ。早めに手を打てば笑い話で済むが、油断すると二度と帰って来ることができない向こう側に行ってしまう。

 2回目のライディングも順調。一度エンストしてしまったがすぐに復帰。1回目よりリズム良く走れたような気がする。しかしその頃から体調の異変に気が付いた。もの凄く小便がしたいのだが数滴しか出ない。10分もするとまた行きたくなるが、そんなにすぐに出るわけもなくやはり真黄色なのが数滴だけ出てくる。これは辛い。以前日常生活で似たような経験(ここまでひどくなかったが)があり、トイレに行きたくならないようにと水を控えるようにしていたら医者から「身体がおしっこをしたがっているんだから、もっと沢山水を飲みなさい」と言われ改善したことがある。それを思い出して水やスポーツドリンクを多めに飲んでみるが、やはり数滴しか出てこない。「透明のおしっこを1リットルぐらいジョーッと出したい」と願いながら水分補給を続ける。

 小便以外は回復してきたので食事をする。美味しいカレーライスを食べてやや調子が戻ったような気がした。「ひょっとして塩分不足か」と思い「味付けとは別のことで、塩かけさせてください」と断って小さじ1杯半ほどの塩をかけて食べてみたら、身体に何かが染み込んでいくのが分かった。しばらくしたら透明の小便がたくさん出た。もの凄い気持ちよさ。スポーツドリンクの他に梅干しも多めに持って食べたりしていたのだが、足りなかったようだ。良い経験になった。

 それからはリタイヤさせてもらってマッタリと過ごす。なんとか走れそうなところまでは回復していたが後のことや帰りの事を考えるとやめておいた方がいいと思った。今回のチーム構成は最低限の人数なので、全員が家までトランポを運転する。万一運転出来なくなると大変な迷惑がかかる。後のことを考えずに全力を尽くすのも格好いいんだろうけど、今はそこまでしなくてもいいだろう。

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 少し涼しくなってきたピットで、ふと横を見るとLC4が静かに立っている。夜に見た花火もすばらしかったが、ワシはこの風景を見ることが出来たのがいちばん嬉しかった。

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