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プリウスとビートル

 VWビートルは数十年間も生産され続けた偉大なクルマだった。アメリカにも多数輸出された。無駄に大きなアメ車が多い中、頑丈でコンパクトで使いやすくて人気だったようだ。当時のアメ車に比べれば燃費も良かっただろうしね。

 ビートルの他にもVW車はいろいろあったのだが、ビートルがあまりに偉大過ぎてその影でひっそりと・・・という感じだった。VWのクルマの名前いくつ挙げられるかな。ビートル・ニュービートル・ゴルフ・バス・・・普通の人はせいぜいこの辺までで、1600TLとかジェッタとかコラードなんてVW好きの人しか知らないだろう。VWはビートルとゴルフの呪縛のせいか、セダンの人気がイマイチらしい。日本だけなのかな。

 「Think Small」などの有名な広告キャンペーンの頃は、VWビートルに乗ることが素敵であり賢いことであるとイメージされる時代だったのだろう。「巨大なクルマは必要ですか」「これがちょうどいい大きさではありませんか」「ゆっくり優しく走りませんか」そんなイメージで、当時の巨大で豪華なアメ車よりもビートルに乗りたがる人が多かったんじゃないかな。

 おそらくその頃にもVWビートルをベースにいろいろ改良して居住性を良くしたり荷物をもっと積めるようにしたVW車はあったはずだが、でもその後十数年ビートルが売れ続けた。VW社のクルマが素晴らしいかどうかではなく、VWビートルに乗りたい人が多かったのだ。独創的な機能・性能と個性的なスタイルが強烈なイメージとなって市場に存在してしまったんじゃないかな。

 そして現在、プリウスがビートルと同じような立場にいるように見える。手塚治虫の笑顔と共に登場したプリウスは一見普通のクルマ風だけどちゃんとプリウスだと分かるデザインで、でも他社のエコカーのようなわざとらしい未来風デザインではない。二代目はさらにズシッと存在感が増し、燃料の高騰も追い風になって大人気である。議員さん知事さんもエコなイメージを出せるからプリウスに乗るし、ハリウッドスターでも乗っている人がいるらしい。

 ハイブリッド機能を搭載したクルマは他にもあるんだけど、プリウスのイメージが強烈だからみんなプリウスに乗る。わざわざ数十万追加してハイブリッドカーを買っても、見た目が普通のクルマだったらイマイチ面白くないからね。「あの人セルシオやクラウンじゃなくてプリウス乗ってるんだね。カッコイイ」と思われると嬉しいもんな。プリウス以外のハイブリッドカーってあまり売れていないらしいけど、理由はこんな感じじゃないかな。

 レクサスもハイブリッドを出し始めたけど、プリウスがあまりに偉大なので「プリウスじゃどうしても我慢できない」人にしか売れないんじゃないかなと思った。VWでいうカルマンギアのように、偉大なクルマをベースにスペシャルバージョンを作るなんて手もあるんじゃないかな。でも「トヨタ・プリウス」っていう名前を外すとインパクト薄くなりそうだな・・・

 まあ、ライバルのMercedesやBMWにはハイブリッド車はないから、アドバンテージにはなってるな。でも1千万円近いクルマを買う人が燃料費を節約したくてハイブリッドを選ぶだろうか。どうせハイブリッドにするならプリウスにするのではないかな。あ、その辺のクルマを買う人だったら両方買っちゃいそうだな。両方買っちゃう人ってMercedesのSクラスとトヨタ・プリウス買っちゃうんじゃないかな。

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