これでいいのだ
幼少時は少年ジャンプを中心に読んでいたので「毎週楽しみにしていた」という訳ではないのだが、散髪屋や病院の待合室でマガジンしかないときはバカボンだけ読んでいたな。突如サンデーに移ったときや「まんがNo.1」の宣伝が沢山でてくる回も読んだ覚えがあるし、図工の時間にウナギイヌを作って笑われたこともある(しかも父兄参観日だった)。理科のテストでクラスの大半が「太陽は西から昇って東に沈む」と答えて先生が激怒し、「あんなマンガ見ちゃだめだ」と言ったがワシは「ならばそれの逆で覚えれば良い」と思った。見るマンガの選択は家庭でやればいいことで、学校の先生がとやかく言う問題ではなかろう。家でどんなマンガを見ているかなんて先生に聞かれても適当に答えればいい。きっかけがなんだろうが答えが合っていればいいじゃないか(我ながら嫌な子供だったな)。
最近ネットでよく見かける「バカボンのパパの言葉」がなかなか良い感じなのだが、これは作中で出てきた言葉なのだろうか。それとも赤塚不二夫がどこかに書いたのだろうか。
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「バカボンのパパの言葉 」
わしは バカボンのパパなのだ
この世は むずかしいのだ
わしの思うようにはならないのだ
でも わしは大丈夫なのだ
わしはいつでもわしなので 大丈夫なのだ
これでいいのだと言っているから 大丈夫なのだ
あなたもあななたでそれでいいのだ
それでいいのだ
それでいいのだ
わしはリタイヤしたのだ
全ての心配から リタイヤしたのだ
だからわしは 疲れないのだ
どうだ これでいいのだ
これでいいのだ
やっぱりこれでいいのだ
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子供の頃にたまにみかけたバカボン(のパパ)の世界は見事な不条理で「こんな世界はあり得ない」と思わずにはいられなかった。しかし大人になってから気付いてみると現実はバカボン(のパパ)の世界に出てくることとそっくりだったり、あるいはもっとひどくて不可解で醜悪なものだった。ワシも気が付けば「これでいいのだ」という言葉を使って何度もしのいできている。
「これでいいのだ」
「それでいいのだ」