1900
「1900」という曲を初めて聞いたのは20年前、大学生の頃だった。坂本龍一がニューヨークで行った NEO GEO LIVE がFMラジオで放送されたのを聴き、美しいメロディーに衝撃を覚えたものだ。今でもこの曲を聴くと当時のことを色々と思い出す。後にビデオも発売された。
(YouTube) Ryuichi Sakamoto - 1900 (Neo Geo Live)
オリジナルの曲ではなさそうで、題名から想像すると1900年がらみの何かなんだろうなあと当時思った。ベルトリッチ監督の映画『1900年』に関係しているらしいということはなんとなく分かっていた。年表を見てみると1900年には義和団の乱が載っている。義和団の乱というと『北京の55日』か?・・・何か関係があるのかな・・・なんて思ったこともあった。
それから20年、曲のことは覚えていてもその背景を考えることはしていなかった。するといつの間にか「1900=義和団の乱」というイメージだけが残ってしまっていた。どう考えても関係なさそうなんだけど、一度イメージが出来てしまうとなかなか消えてくれないものだ。一度も「きっとこれが関係あるのだろう」とは思っていないんだけど、「1900=義和団の乱=北京の55日」という連想ゲームが出来上がってしまっていた。
つい先日、昼休みにYouTubeを見ていると懐かしい「1900」の動画があった。コメント欄を見ていたらモリコーネという人の曲だと分かった。どんな人なのかなと思って調べてみると『海の上のピアニスト』という映画に「1900」と呼ばれる男が出てきて美しいメロディーを奏でるという話しを読んだ。
そうか・・・やはり義和団ではなかったか・・・と思いつつ美しいメロディーに浸っていたのだが、「あれ、ベルトリッチはどうなった?」と新たな疑問が。これはまた何かが違うと思い更に調べてみると、ベルトリッチ監督の『1900年』という映画もやはりモリコーネが音楽を担当していて、この曲はそちらの方の話しだった。モリコーネは『1900年』という映画の音楽と、「1900」と呼ばれた男が主人公の映画の音楽を両方担当していたようで。危なくまた20年ぐらいまったりと誤解するところだった。