2007年3月 2日

亀山モデル

 液晶テレビに力を入れているS社が姫路に新工場を建てるそうだ。

 この会社のテレビは「亀山モデル」と呼ばれているらしい。本当に市場からそう呼ばれているのどうかは知らないが、カタログやCMやWEBサイトでは「亀山モデル」とか「亀山工場」が売りになっている。

 MADE IN ○○とか、□□工場製っていうのを売りにすると、海外生産に切り替えたり製造工場を変えたりする時に言い訳を考えなくてはならなくなる。まあMADE IN○○ってのはたいていの製品に書いてある(製品によっては義務だったっけ?)からいいとして、工場の名前は売りにしない方がいいんじゃないかと思っていた。工場一つだけでコツコツやっているならそれも売りになるが、大企業ならどこの工場でも同じ品質で出来るようにするのが普通だろうからな。

 それをあえて「亀山モデル」と売り込んでいたんだから、きっと亀山工場でしか出来ない素晴らしい品物なのだろうと思っていた。ほら、山の中で空気がきれいで、他の液晶よりも出来が良さそうなイメージが浮かんでくるじゃんか(ワシだけ?)。でもこのニュースの後は「亀山モデル」=「一世代前の工場で作られたモデル」というイメージになってしまうわけですわー。

 まあ、工場を建てるってのは経営の話だが、工場を売りにするのは「宣伝」だしな。イメージ宣伝みたいなもんだな。昔、「やわらかアタマ」というCMがあった。たしかバブル前夜かまっただ中の頃だった。当時のアイドル(?)がニコニコというかグシャグシャの顔をして、「やわらかアタマ」とか言いながら会社名を言う妙なイメージ宣伝だったが、就職希望の学生が相当増えたらしい。で、入社したは良いけれど結局普通の金属業の会社で、アイドルタレントが働いているわけでは当然なく、上司がやわらかアタマであろうはずもなく・・・ガッカリした人が多かったそうな。「やわらかアタマ」だったのはその金属業の会社じゃなくて広告代理店だったのだ(たしかホイチョイの『きまぐれコンセプト』で読んだ話しだ)。

 今頃、新しい工場と亀山工場との共存を図るべく、新しいキャッチフレーズを広告代理店が考えているのかな。

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