2007年8月 2日

ontime

 夕張EDの結果や経過をあちこちのサイトで見たり、現地にいた人から直接話を聞いたりした。天候のせいだけじゃなくタイムがきつかったこともあってかなり混乱したようだ。

 私がISDEを知ったのが1980年代の中ごろだった。その後間もなくしてISDEを範にしたレースを日本でも開催したと知り、いつか出たいなと思った。それが第一回のITDE(後のHTDE)だった。1989年に初めて出場し、その興奮からKTMに乗りたいとますます思い始め、当時の輸入元が開いていたショップをちょくちょく訪れるようになった。1989年型の中古車を買ったのは1990年の春だったと思う。その頃から「オンタイム」という言葉はそのショップの中ではたまに聞いていた。ヨーイドンで朝から晩まで8時間のサバイバルレース、過酷過ぎるコースと完走率の低さを競い合うような設定についてたびたび語られていた。当時ISDEを走った日本人は一人だけで、そのショップはその人が経営していた。その人自身からは「ISDEはもっと複雑なルールだけど、日本じゃ無理」というような話しを聞いた覚えしかないが、マネージャー(店長)のNさんやセールスメカニックのYさん(二人ともISDEのサポートや撮影の経験があり、またYさんはITDEやHTDEでの入賞経験を多数持つライダーだった)からは何度かオンタイムの話しを聞いた。ただ、「そうなると競技性をどう高めていくかが問題だ」という話しだった。

 1990年だったか1991年だったかのHTDEを走っていたとき、森を抜け出て見晴らしのいい風景に出てきたら係員から停止を求められ「稲に泥かけないように走って」と言われた。そこから先はしばらく田んぼの横を通るルートだった。で、「はい」と返事しそれなりに徐行していたら後続のライダーにぶち抜かれたことがある。もしこれがオンタイム制のレースだったらここの区間はテストではなく移動区間となるだろうな・・・タイムは余裕たっぷりにして30km/h制限でもかければいいのかな、と後で思った。公道上を走ったり横切ったりするときも同じだろう。スピードガンで全車の速度を測り、10km/h以上オーバーは失格にするなんてルールも、バイクに理解の無い人を巻き込んでイベントを成立させるには必要なのかもしれない(個人的には嫌だけど)。

 朝から晩まで全部がクロスカントリーテストのような当時の状況ではいろんな場面で不公平になったり危険だったりする。私は残念ながらオンタイム制のレースは走ったことがないが、自分なりの経験からこの程度の想像はしていた。オンタイム制の本質からは少々離れるのかもしれないけれど。

 HTDEがオンタイム制に移行したのは1993年からだったと思う。前年までのサバイバルレース形式が懐かしくて減点覚悟(無視)で全部を全開で走った人もいたという。パソコン通信でも「去年までは最高だった」なんて意見を見たりしたな。今回も混乱はしたようだが、あれからもう14年も経っている。運営側にもライダー側にも周囲にも詳しい人がたくさんいて、バランスが取れた上での混乱なんだろうな。だからきっと来年はより良い方向でレースが開催されるだろう。

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