2008年7月 1日

社宅・社員寮

 ワシが三十数年間住んでいるこの辺(何度か細かく引越ししているが、あまり大きくは動いていない)は、昔はかなり辺鄙なところだった。転校したその日にはクラスの数人が一緒に下校してくれたのはいいけれど、洋式トイレが初めてだったようで話題になっていたな。日曜日に散歩していると夕方にはかなり寂しい雰囲気になってしまい心細かったものだ。森の中で電球がぽつりと灯っている光景は今でもよく覚えている。

 そんな辺鄙なところのせいか、周りには社宅や社員寮が多かった。大手百貨店や建設会社、金属会社に食品に鉄道に・・・とかなり沢山あったな。友達や同級生も沢山住んでいた。今ではほとんどがマンションや宅地に変わってしまった。

 幼少時はなんとも思わなかったが、物心がついてきて社宅というものがどういうものか分かるにつれて、家に帰っても隣が会社の同僚だったり上司だったり・・・なんてことを考えるともっと気楽な方がいいよなあなんて思ったりもしたものだ。でも今となってはなんと豊かな心を持った時代だったのかなとも思う。人を育てようと言う気持ちがなかったら社員寮や社宅なんてとても運用できないだろう。いつから派遣だの二重派遣だのを使ったり、他の会社の社員にただ働きさせるようになったのだろう。次の世代の将来を潰し、自分たちの目先の儲けばかり気にするようになったのはいつからなのだろう。

 買う方の気持ちもどこかで変えないと。どんなに安くても胡散臭い会社からは買わない、悪いことをする店からは買わない・・・そんな気持ちも必要じゃないかな。でもそんなことを言っていると何も買えなくなっちゃいそうな気がしないでもない今日この頃であった。

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