2009年1月13日

追い込み

 1年以上前のことだが、ネットを使ったいたずらの被害に遭った。ネット上で簡単にできる申し込みをうちの住所と子供の名前でやる輩がいたようで、生命保険のパンフレットや、通信教育の申し込み書類などがバンバン送られてきたのだった。住所は正確ではなく、番地までは合っているが枝番が抜けていた。たぶん家の近所にある電柱の表示を頼りにしたのだと思う。家の表札には苗字(ローマ字)と番地・枝番を書いているので表札をチェックした奴の仕業ではない。たぶん子供の同級生のいたずらなのだと思う。

 最初の何通かは無視していたが、いたずらの被害に遭っていると気付いてからは面倒でも連絡することにした。犯人特定の材料になるかと思い、送信元プロバイダや連絡先メールアドレスなどを聞いた。すぐに事情を察して全部教えてくれる会社(担当者)もあれば、「あなたも私も被害者だ。今後こういった問題を減らすために聞きたい」と言って教えてもらったこともあった。

 お決まりの「個人情報保護のため」を持ち出して断ってきた会社もあったが、「申し込んだことになっているのは私の子供だから個人情報を保護する必要はない。だいたい他人の名前を語る人間の情報を保護する必要はない。あんたは何を守ろうとしているんだ」と言ったら口ごもっていたな。

 メールでも何度かやりとりした。「保険の一括見積」を謳う取次ぎサイト経由でも被害に遭ったので、「貴社のビジネスモデルの存続にかかわる案件と考えています。事情賢察の上ご協力をお願いします。」とメールを送った。あ、ひょっとしたら、こんなザルみたいな(といったらザルに失礼か)ビジネスモデルを展開する会社から見ればいたずら請求するガキは大事なお得意様で、ワシのような人間の方が商売敵なのかもしれないな。

 なんたら部長兼個人情報管理者という立場の人からデータ開示請求書が送られてきたこともあったが、添付されたファイルの名前が「○○○○.pdf.pdf」という、PCスキルが相当低そうなことが感じ取れる名前だったな。会社名(なんたらホールディングス)とか役職名は立派だったけど、中身は・・・って感じですな。みんな大変そうだな。

 教えてもらったメールアドレスには「このメールアドレスでいたずらをしている輩がいるようなのでご注意ください」と警告のメールを送った。「やめていただけませんか」などと下手に出ては相手が喜ぶだけかと思い、専用のメールアドレスを作成して第三者からの警告のような雰囲気にした(この辺でワシも同じ穴の生き物という気がしないでもないが・・・まあ善悪の境目は紙一重なのだ)。保険会社や保険取次会社にもプロバイダ(たぶん携帯だったんだろうと思うが・・・)に対して警告を出すようよう依頼したので、うち1つぐらいは本当に届いているだろう。犯人はおそらくプロバイダから警告を受けているはずだ。やった方はおそらくバレるわけがないと思ってやっているはず(ガキだから)で、警告を受けて相当びっくりしただろうな。親バレして怒られたかもしれないな。

 追い込みはここでおしまい。放っておけばDMは永久に止まらないし、やがてエスカレートしてピザとか寿司が届いたら嫌なのでがっちりと手を打った。子供のいたずらと分かり、今後やらないのならもうそれでいい。あれからしばらくはデータが残っていたのがちらちらと続きが来ていたが、ここ半年ぐらいは来ていないな。追い込みは成功したようだ。

 中途半端なビジネスモデルで仕事を始めたなんたらホールディングスにもいい経験になったであろう。だいたい、「ホールディングス」なんて名前の会社が直に商品売ること自体が「アレ」ですな。

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