2009年2月12日

ベントラ童話4

3は他の方が作ってくださったので・・・ワシが書いた2の次は4になった。

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 商用車の運転手である「ぼく」は、砂漠で故障し立ち往生した。1週間分の生活費しかなく、
孤独で不安な夜を過ごした「ぼく」は、翌日一台の軽自動車と出会う。話すうちに、ぼくは
軽自動車が沼津からやってきた王子であることを知る。

 日々商用車を修理しようと悪戦苦闘するかたわら、「大切なものは、目に見えない」という
秘密をキツネから教えられたという話しを王子から聞いていた「ぼく」は、ついに蓄えの生活費が
底をつき途方に暮れる。「ロト6を買いに行こう」という王子に、砂漠の中で買えるわけははないと
思いながらついて行った「ぼく」は、本当に宝くじ売り場を発見する。王子と一緒にロト6を
買いながら、明日で王子が地球に来て1年になると教えられる。王子はその場に残り、
「ぼく」は商用車の修理をするために戻っていった。

 翌日、奇跡的に商用車が直り「ぼく」は王子に知らせに行く。王子はヘビと話をしていた。
王子が砂漠にやってきたのは、1年前と星の配置が全く同じ時にヘビに噛まれることで沼津に
帰るためだったのだ。別れを悲しむ「ぼく」に、「自分は自分の街に帰るのだから、きみは
夜空を見上げてその星のどれかの上で自分が笑っていると想像すれば良い。そうすれば、
君は星全部が笑っているように見えるはずだから」と語る。
王子はヘビに噛まれてトレッドが剥離した。

 翌日、王子の車体は跡形もなくなっていた。「ぼく」は王子が自分の街に
帰れたのだと考え、夜空を見上げる。王子が笑っているのだろうと考えるときには
夜空は笑顔で満ちているように見えるのだが、万一王子が悲しんでいたらと考えると、
そのうちのひとつに王子がいるであろういくつもの星々がみな涙でいっぱいになって
いるかのように「ぼく」には見えるのであった。

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