2009年6月19日

緊急着陸

 飛行中に機長が死亡して緊急着陸というニュースが流れた。お決まりのように「乗客に怪我はなかった」なんて内容になっている。「緊急着陸」ていうと滑走路に消火剤をまいて消防車が見守る中で・・・とか、めがねやボールペンは前の座席のポケットにしまい、足を開き頭をかかえて・・・なんて状況をイメージしてしまうからそういう報道になってしまうのだろうか。

 他の乗り物だったら緊急事態の場合は停まってみればたいてい一安心なのだが、飛行機の場合は停まることが出来ないから緊急事態を宣言して優先的に着陸させてもらうことになる。緊急事態には急病人・故障・燃料切れの可能性などいろいろ考えられるわけだが、この中で正常な着陸が出来ない故障・・・例えば脚が出てこないとか、エンジンが全部止まっちゃったとか・・・の場合のみに怪我人が発生する可能性があるようにワシには思える。エンジンが片方止まっても着陸出来るよう準備(機体も、パイロットさんの技術も)されているから、脚とか翼に異常が発生してまともに飛べないときの緊急着陸の時ぐらいなんじゃないのかな、「怪我はなかった」とホッとする状況は。

 機長になにかあってももう一人副操縦士はいるし、たぶん今回はDH(便乗して移動中)のパイロットが交代して操縦したのだろう。このオペレーションでなにがどう怪我人が発生するのか、報道機関に聞いてみたい。これが船だったらどうかな。「船長が急死したが他の船員が操縦して港に緊急入港した。乗客に怪我はなかった」・・・「はぁ?」って思うでしょ。一人しか運転手がいないバスで同じような事件がおきて、乗客が必死に止めたなんてニュースが以前あったけど、そっちの方がよっぽど大事件だと思うなあ。飛行機はそうならないための工夫(フェイルセーフ)が、ハードにも運用にも何重も施されているわけだが、バスは一般の乗用車と同程度にしか対策されていないように感じるなあ。

 どこかの国だか航空会社の飛行機は、ハイジャック防止のために客席と操縦席との間のドアが開閉できない、なんて話を聞いたことがある。そういう飛行機だと今回のようなケースでは完全に一人で操縦して降りてこないといけない訳ですな。それも大変ですな。今回のニュースで飛行機に不安を感じた人は、海外旅行に行くときはそういう航空会社の飛行機を選ばないように注意したほうがよさそうですな。

 ちなみに朝日新聞のasahi.comでは「副機長が操縦して無事に着陸」なんて書いてあったけど、副機長ってのは間違いですな。正しくは副操縦士ですな。

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