2009年8月 3日

エンブレムチューン

 安いクルマに高いクルマのエンブレムを貼ることを「エンブレムチューン」と言う。軽自動車にベンツのマークを付けたりするのはわりとよく見かける。あとは1ランク上の排気量に見せかけたりするのもよくある手だった。ベンツのW140って実際にはS320の台数が一番多いはずなのに、街で見かけるのはS500ばかりなんて話を聞いたことがある。そういえばナンバープレートが「320」のS500を見たこともあったな。

 高いクルマや排気量の多いクルマがオーラを放っていた頃は、エンブレムチューンは実に有効な手段だった。数千円で数十万円分の満足感が得られるわけだから、かなりのコストパフォーマンスだ。

 でも、いつの間にか「高いクルマがカッコイイ」って時代が終わりつつある。もちろん高級車の魅力は今でも変わらないとは思うが、実際にそれに乗れる人はどんどん少なくなっているし、実用車ならプリウスかインサイトを買うのが一番って感じになっている。ベンツ乗用車のライバルはレクサスLSやISじゃなくて、プリウスっぽい。

 レクサスからもハイブリッド専用車が登場したようだが、プラットフォームがプリウスと共通なようですな。大きなエンジンと強いモーターが載り、全長・全幅・全高が15~240mm大きくなっているが、ホイールベース(前輪と後輪の間の長さ)は共通なので車内のゆったり感はあまり変わらないんじゃないかな。車重が330kg増えて燃費が30%以上悪くなっているが・・・これがプリウスよりも素敵なクルマとして受け入れられるのか、それともデブなプリウスと思われちゃうのか、ちょっと心配になる。

 せっかくのハイブリッドブームなのに、従来と同じ発想でエンジンをでかくしてハイパワー仕様にし豪華にしたら重くなっちゃったって感じで、残念ですな。でかいエンジンがカッコイイっていうエンブレムチューン全盛の時代の考え方はそろそろ切り替えてもいいような気がするのだ。

 本革シートなのにベースがカーボンだから重量が増えていないとか、チタン部品を多用して軽量化とか、そんな感じの方が説得力があってウケもいいように思うのだが・・・どうなんだろうね。

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