2009年12月26日

READY TO RACE

 KTM JAPANのサイトで、SIXDAYSというスペシャルバージョンのオフロードバイクの商品説明があまりにすばらしい内容だったのでご紹介する。

 ご存じない方のために簡単にご説明しておくと、KTMってのはオーストリアのオートバイメーカーで、特にオフロードレースに力を入れているメーカーだ。SIXDAYSっていうのはISDE(International Six Days Enduro[国際6日間耐久レース]・・・オフロード耐久レースの国別オリンピックのようなもので、数十年の歴史がある・・・)の名を冠したスペシャルバージョンのオートバイだ。通常仕様のものよりもさらにレース向きの部品がセットされている。ISDE参加者向けに販売・レンタルされるマシンが特別に市販されているものだ(最近はやや雰囲気が変わってきているような気もするが)。

 エンデューロ競技ではタイムチェックのカードが使われる。チェックポイント到着時に時刻が記入されてそれでポイントが計算されるのだが、これをしまっておく場所に困るのである。冬用のジャケットならポケットがあるけど寒い時期しか着ないし、ウェストバッグに入れておいて吹っ飛んだらおしまいだ。川渡りとか泥沼突入とかもあるから、出来るだけ汚れないところがいい。しかもチェックポイントではさっと取り出せないといけないし、絶対になくさないところじゃないといけない。なかなか悩むところなのである。

 KTMでは、昔からオプション部品でシートの一番前にポケットがついているものが用意されている。

20091226a.jpg

 これは2004年のPOWERPARTS(オプションパーツ)カタログに載っているSixdays seat。"including pocket for the timecard."って説明が載っている。シートカバー単体での販売もされている。地味なパーツだし、エンデューロ競技に興味がない人は「なんでこんなところにポケットがあるの」としか思わないだろう。でも"READY TO RACE"という言葉を一番よく表しているパーツだと思っている。国産マシンも良くなってきているけど、こんなオプションってあるのかな?

 これがKTMの日本向けサイトではこのような説明になっていた。

20091226b.jpg

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シートにもSIXDAYSのロゴを配置し、このマシンのオーナーが トップクラスのエンデューロライダーであることをさりげなくアピール。シート前方には小さなコンパートメントをレイアウト。実用性にも抜かりはない。
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 コンパートメント・・・実用性・・・うーん、たぶんこのポケットの意味分かってないな・・・。

 「ここに携帯電話を収納することが出来る。君の携帯電話で確かめて欲しい」とか考えてるんだろうか。

 うわ、125SIXDAYSにも同じ説明が書いてあるけど、125SIXDAYSはナンバー登録不可なんじゃなかったっけ。ナンバー登録不可のバイクの商品説明で「実用性」って、ものすごく妙ですな。

 憧れだったSIXDAYS仕様のマシン説明を読んでいて、辛く悲しくなってしまったのであった。

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