先日大阪の同僚と電話で話していて、子供の自転車の補助輪の話しになった。「コマとれました」「コマ? ひょっとして補助輪のことコマって言うの?」と、長年大阪に通っていてもまだまだ分からないことだらけですな。「タマ」と呼ぶ地域もあるそうで、いろいろと複雑ですな。
先日20インチBMXをレストアし第三子の友達用にセッティングした際、どれぐらい乗れるのかなと試しに乗せてみたところ「乗せ方がうまい」と言われた。最初は3人育てているせいかなと思ったが、それ以外にも感じるところがあったので書いておこうと思う。
前にも何度か書いたが、素性のよさそうな自転車で、身体の大きさに合ったもの(最初はやや小さめ)を選ぶのがポイントだ。素性が良いというと漠然としているが、BMXマシンに出来るだけ似た雰囲気のものが良いだろう。出来ればBMXそのものが一番良い。
ペダルを外して足で蹴る練習をすると早く乗れるようになる。うちの第三子の場合はクランクとBB(クランクの心棒)まで外して練習した。
親の方も練習をしておいた方がよいことがある。自転車を押すときは普通ハンドルを持って押す訳だが、これをサドル(イス)だけ持ってやってみるのだ。大人用の自転車でもいいから、人が乗っていない状態でサドルを持つ。ゆっくり歩くと自転車はまっすぐ進むが、やがてハンドルがユラユラと揺れてカクンと曲がったり倒れたりしそうになる。これをサドルを左右にほんのわずか動かし、車体をわずかに傾けることでハンドルを動かしつつ、まっすぐ進んだり曲がったりできるようにする。曲がるのは難しいが、まっすぐ進むのは数回練習すれば出来るようになるはずだ。
この動きを覚えたら、子供を自転車に乗せて親はサドルの後部を片手で持つ。ボーリングでボールが手から離れる寸前のような格好になるはずだ。そしてそのまま一緒に歩く。慣れてきたら小走りで走る。転びそうになってもサドルを左右に動かして直進させてあげる。安定してきたらちょっとだけ手を離して様子を見てみる。大丈夫そうだったらボールをそっと転がすように手を離す。コギが足りないようだったら「足をクルクル回して」と言えばよい。
かがんで走るのは腰が辛いので、慣れてきたら子供の背中に手を当てるだけでもいい。危ない時は肩や腕をつかんで支えてあげよう。
ペダルを外して足で蹴ると上達が早いのは、この「車体を傾けることでハンドルが動き、直進する」という二輪車の動きが簡単かつ安全に分かるからだと思う。自転車に乗れる人はこの動きを理解してスイスイ自転車に乗っている訳だが、人間が最初から知っている動きではないから、誰かが教えるか自分で気付くかしないといけない。
ハンドルと背中を支えて一緒に走り回っても離したとたんに転んでしまったり、荷台をがっちり持ってまっすぐ走ってパッと離しても次第に傾いていってそのまま転んでしまったり・・・そんな感じになってしまうことが多いんじゃないかな。ワシも3人目が乗れるようになってからハッキリ気付いたことだが、二輪車本来の動きを無視して支えてあげても、手を離したらとたんに転ぶのは当たり前のことではないだろうか。運動神経が悪いとかそういう問題ではないのだ。覚えなくてはならない動きをいきなりぶつけるようなやり方になってしまっているからビックリしてしまい、転んで痛いから乗りたくなくなる、という感じじゃないかな。そんな練習をやってもうまく行かず、やがて親も子も疲れ切ってしまうことが多い。両親が怒鳴りまくり、子供が大声で泣いている悲惨なシーンも見かけたことがある。
これから補助輪(コマ? タマ??)を取る機会があるなら、是非一度この「サドルでボーリング風」を試してみて欲しい。ヘルメットも忘れずに。おもちゃ屋で売っているスケボー用のセットがあればヒジも守れていいんじゃないかな、安いし。