【Computing】のブログ記事

2007年12月12日  

名寄せ

 データベースではキーは重要だ。キーがしっかりしているデータはどんなに大量でもあっという間に処理できる。一度でもアクセス等のdbで苦闘したり、他人が作ったエクセルのシート2~3枚を統合しようとしたことがあれば分かるだろうう。

 パソコンに興味がない人でも、「ダンナが管理している住所録と、奥さんが管理している住所録を一つにまとめる」って作業を想像してもらえばイメージが湧くだろう。人間だったら名前を見て「同じ人だ」「違う人だ」と判断するが、結婚や離婚などで名字が変わったり、誤字や脱字もあるだろうから作業は簡単にはいかない。それでも夫婦の住所録ならどちらかが顔見知りだからまだ楽だろうけど、これがまったく顔も名前もわからない第三者の名簿だったら作業は難航するはずだ。

 さらにこれをコンピューターでやろうとすると、名字と名前の間にスペースが入っているかどうかなんて問題も絡んでくる。更にもの凄いデータになると、印字したときの見映えを狙って字と字の間にすべてスペースが入っていたりもする。旧字体の処理なんかも絡んでくると、全部解決するのは絶望的に思えるはずだ。

 消えた年金の問題はこれがもう数倍から数十倍複雑になったようなモノ・・・じゃないかな。通常の処理から外れてしまったものが何千万件もあるわけで、それを新しいソフトで処理と言ったところで相当難しいだろうとは思っていた。やるとしたら「疑わしきはすべて有利に」でやっつけてしまう位だろうなと。ところが偉い人は「全部解決する」と言い張り、そしてやはり駄目だった。

 その裏には、コンピューターのデータベースのことなんか全く分からないのに、「名寄せ」と聞いて「その言葉なら知っている。それなら時間さえかければ出来る」と思った人がいたんじゃないかな。「何億円もするコンピューターソフトを使うから大丈夫だ」と思った人もいたんじゃないかな(13億円らしいね)。言った方だけでなく、聞いて納得してしまった方にも問題はあるように思う。

 ワシらの世代より上の人は知っていると思うが、昔運転免許証には意味不明のフリガナがふられる時代があった。漢字に特定の読みを一つだけ割り振り、それをカタカナで並べたような雰囲気だった。昔のコンピューターは漢字が処理出来なかったから、たぶんこの不思議なフリガナをキーのような扱いにしてコンピューター処理していたんじゃないだろうか(その頃は免許証の名前や住所の部分は代書屋さんに和文タイプで打ってもらった。手書きでも大丈夫だった)。仮にこのデータを漢字に自動変換するとして、何億円もかければ大丈夫かというと・・・そもそも名前がひらがなの人もいるから100%は無理ですな。似たような問題は年金のお役所にもあるはずで、データ上の100%解決はどうやっても無理だろう。落としどころを作って国民の不利益にならないようにするしかないと思うが・・・それもまた税金だなあ。

2007年12月 7日  

つぶやき

 ブログを読んでいると、文章がだんだん短くなってきていることに気付く。切りの良いところで改行が入って折り返すのが当たり前、文章とか段落なんて概念はもうなくなってしまっているかのようだ。

 こういう習慣はたぶん電子メールから始まり、それが一般的になったのだろう。思い起こせばパソコン通信でも「一行80文字前後で改行を入れろ」とよく言われていた。原稿用紙を使わされていた世代には思いもつかないやり方だ。おそらく理系の人々がレポート用紙に日本語を書く場合のやり方と似ていて、違和感無く導入されやがて一般化していったのだろう。

 昔は先に文章を書き、書き終わってからVZエディタの改行マクロで整形して改行を入れたりしたものだけど、今は手動で文節の切れ目でどんどん改行する時代になっている。句読点や長音記号が行頭に行かないようにするのを禁則処理というが、そのうち文節の切れ目以外で改行するのも禁則になるのかな。というか、そんな処理をするならワープロって完全に不要になっちゃうな。エクセルを方眼紙にして文章書く人も多いらしいし。

 最近は携帯の画面でメールを読み書きするのもあたりまえになり、ブログも携帯からの書き込みが当たり前になり、更に文章が短くなっている。中には「つぶやき」とか「さけび」が大半のブログもあったりする。それはそれで読んでいて面白いが・・・今はまだギリギリで「普通の文章を読み書きできる人」が洒落で短文を書いている状態だと思うが、文章が長いだけで読むのをあきらめてしまう人も多くなっている。業務で送ったメールも「長いから」と読まない(でも文句は一人前に言う)。かなり凄い状態になっていると思う。

 そのうち今の状態があたりまえになって、そこから更にもの凄い世の中になっていくんだろうな。で、「昔はまだよかった」と。

2007年12月 4日  

月末

 月末作業でトラブル発生。データを見るとどうも末締めの締め日繰越が行われていない様子だ。

 日本語では「末」とか「月末」っていう便利な言葉があって、それで取引先への請求を締め切ったりする。ところがこれがけっこう曖昧な言葉で、20日締はかならず20だけど、末締は31だったり30だったり28だったりして、たまに29だったりもする(閏年は閏年でまた単純に4年に1回とは言い切れないようで、それは以前調べて書いた)。たいていのシステムでは取引先の締日を2桁で管理していて、末締の場合は「31」と登録しておくのが普通だろう。で、11月の末締のパラメータを「31」でやるべきところを「30」で実行してしまい、全データ空振りしてしまったようだ(実際にはもう少し複雑な事情があったが、ここではとりあげないでおく)。

 「30」とか「28」だったらエラーにするという方法も考えて業者さんと相談したけど、30日締という取引先が今後絶対に現れないという保証はないので良くないという結論に。確かに、締日が5日毎ってのは決まりじゃなくて習慣みたいなもんだろうしな。

 しかしこのままではよくない。このトラブルが起きる可能性は何年も前から気付いていて「気をつけるように」とは言っておいたが起きてしまった。今回また「気をつけて」と言ったり、長時間説教したところで(しないけど)次もまた起きる可能性がある。気付いていたのに「気をつけろ」だけで放置してしまったのはワシの責任だ。

 しばし考え、作業チェックリストの日付記入欄に「5・10・15・20・25・31」と選択肢を作りマルで囲む運用に切り替えることにした。今まではそこは「   年   月   日」となっていて、数字は手書きだった。普通の人間だったら11月の月末は「30」と書くのが当たり前だ。そこで「31」と書いて貰うためのチープな工夫である。これで間違いが発生する確率は0とは言わないが減るだろう。

 さらに、繰越を実行したことが確認出来る画面を作成し、そこの数字が0になっていれば作業完了というチェックを入れることにした。これでトラブルが発生してもすぐ気付いてやり直しが出来るようになるはずだ。

 以前だったら「気をつけろ」だの「しっかりしろ」だの「仕方ねえなあ」で終わっていたと思うが、飛行機に再び興味が出てきてパイロットのブログや本を中心にいろいろ見聞きしているうちに、影響を受けて少々やり方が変わってきているのであった。予算が限られているので何千万もかけるのは無理だけど、チープな工夫でも同じ効果は得られるのではないかと思う。

 同僚からプリンタ購入の相談あり。今時売っているモノはそうそう当たりはずれはないはずで「どれでも大丈夫だよ。好きなの買えば~?」で済ませてもいいのだが、仕事にも役立つことだし、自分の意見が今時の世情と合っているのかを点検するチャンスでもある。チェックを入れてみた。

 家庭でたまに使う程度、年賀状と写真がメインというごく普通の条件。特記事項としては最近ご結婚されたばかりで、今回の年賀状は少々気合いを入れて作成したい様子である。PCは普通に使えるから写真の印刷はダイレクト印刷ではなくPCに保存し加工して印刷できるだろう。今回はC社のA4インクジェットプリンターの中から検討してみた。

 ざっとまとめると

品名 解像度   インク  速さ コスト  大きさ    価格
---------------------------------------------------------------------------------------------
2500 4800dpi 4色(一体) 46秒 18.4円 コンパクト   7,980円(10%還元)
3500 4800dpi 4色(独立) 40秒 13.6円 やや大きい 12,980円(10%還元)
4500 9600dpi 5色(独立) 18秒 14.5円 やや大きい 15,300円(16%還元)

となる。スピードやコストはメーカーのサイトから数字を拾った。インクが複数あって二種類数字が出ているものは安い方を拾ってみた。価格は大手カメラ店の通販サイトを参考にした。

 この中からどれを買うか。同僚は当初一番安い2500を選びそうになっていた。私は3500を勧めた。ランニングコストが一番安いからだ。使用するインクカートリッジを調べてみると、

●2500
 黒 2,210円、カラー 3,150円 → 計5,360円

●3500
 黄・赤・青 各1,050円、黒 1,160円 → 計4,310円

●4500
 黄・赤・青・カラー用黒のセット売 3,870円、黒 1,160円 → 計5,030円

となる。2500はインクだけでなくヘッドも付いているからその分高い(年に一回しか使わず固まってしまった場合にすぐ交換復旧するというメリットもあるけど)し、一色だけなくなっても一式交換しなくてはならないから実際にはもっと高くなるだろう。実際には各色同じようなスピードで減っていくけれど、「青はまだ半分残っている」なんてこともよくあるから、1,000円儲かったような気分になれる。メーカー発表のランニングコスト(標準的な写真やデータを印刷したときのコスト)では3500と4500は0.9円の違いでしかないが、「インク買ってきて」と言われて買い物に行ったときに一つ多くインクを買わなくてはならず、720円高くつく。「こないだ替えたばかりなのにまた5,000円~?」という悲鳴が聞こえてきそうではないか。会社だったら総務に行って「インクちょうだい」で済むが、自分の家では自分で買わなくてはならない。インク売り場で詰替用のインクで大丈夫かと悩んでいる人は非常に多い。ランニングコストというよりも「懐へのインパクト感」とでも言えばいいだろうか、これの実生活への影響は大きいのだ。

 家庭用のプリンター商売は本体を安くしてインクなどの消耗品で儲けるビジネスモデルなので、メーカーとしては4500を売りたいのだろう。ポイント還元率がこの商品だけ高いのがそれを如実に物語っている。上位機種には7色インクなんてのもあるようだ。私はきれいさとスピードはそこそこでいいから、とにかくランニングコストが低いものを選ぶ(実際数年前にこの買い方をした)。

 同僚は結局スピードとCD盤面印刷を重視して4500を選んだようだ。通販よりも店頭の方が高かったらしく、交渉して値切ることに成功したそうだ。確かにスピードは魅力的だしな。インク購入の際の+720円が許容できるなら良い選択だろうな。

2007年12月 1日  

小学校のパソコン教室

 小学校の文化祭のようなものがあったので行ってみた。前半と後半に分かれていて、前半は理科室で実験を見たり体験させてもらったり。片栗粉が水の中で固くなったりやわらかくなったりするのが面白かった。糸電話も何十年ぶりかでやったけど、女房と何話していいか分からなくて「あーあー」だけしか言えなかった。

 後半はパソコン教室でアニメーション作りをやっていたので覗いてみた。生徒数が急増したため校庭に増築したプレハブ校舎の二階、壁に沿ってぐるりと机が並び、そこにWindowsXPのノートPCが2、30台置いてあって、子どもたちが楽しそうにアニメを作っている。ワシは20年以上PCやらなにやらやっているけど、自分でアニメを動かした経験はない。凄いもんだなと素直に思った。

 クライアントPCは制限ユーザー権限だったようでマイコンピュータすら見られなかったが、表示されているランチャーを見てみたら予想通り“阿波徳島”製で、「ワープロ」というアイコンをクリックしたら懐かしい“男の子”が出てきた。一般のビジネスシーンではほとんど見かけなくなってしまったが、こんなところで元気にしていたのか。

 何台か「練習用」と書かれたWindows98のノートPCがあったがネットワークにはつながっておらず、誰も使っていなかった。先生用のPCもWindows98で、こちらはネットワークにつながっている。先生が長い時間席を外していて、その間なにかあってはいけないと思い(ここ大事)コマンドプロンプトを開いて設定を見たりテストをしてみたが、その時点ではインターネットにはつながっていない様子だった。

 数年前の同じ学校のパソコン教室は、円形の机に5台ぐらいのPCがあって後ろから先生が教えている・・・というような雰囲気だった。たぶんワープロを打ってみるぐらいしか出来なかったのではないだろうか。以前第一子に聞いてみたことがあるが「壊れると困るからあまり触るな」って言われていたようだ。その頃のことが大昔のように思えてしまうこの光景だが、パソコンに慣れるという点では非常に良いと思うし、将来プレゼン用の資料作りをするときなどにこういった経験はきっと生きるのだろう。けど、何かが物足りない。児童用に作られたソフトを上手に使いこなすことと、インターネットを経験してみることしかやっていないんじゃないだろうか。

 これはゲームで例えると、「ソフトを買ってきてキャラとストーリーを作って面をクリアすること」と大差ない。ゲームをやるのにはビデオ端子付きのテレビを用意したり、端子とケーブルの色を正しく揃えて接続したらリモコンで入力系統を選択したりといろいろやることがある。たいていの子どもたちはこういったことは苦手ではなく、苦手でもゲームをやりたいために克服してしまう。そして、「片付けろ」と怒られるときれいに片付ける。

 おそらく業者が構築したネットワークにつながり、パソコンのスイッチを入れればいつもの画面になり、クラスと出席番号を入れれば前回の続きができるようになっているのだろう。それはそれで素晴らしいことだけど、たとえばそのPCをたまには自分たちの教室まで持ってきて、各グループのところにハブを置いてLANをつないでインターネットにつないでみる・・・とか、つながったら席がえをしてみるとかしてみてはどうだろう。知っている人が噛み砕いて教えれば、子どもにとってはそれは「コンセントを挿す」「テレビとゲーム機をつなぐこと」と同じぐらい簡単なことだと思う。そういうことを経験していないとセキュリティのことなんて説明してもまったく想像がつかず、単語の暗記ごっこになってしまうんじゃないかな。

 今はパソコンそのものが主題・目的になっている小学校のパソコン教室だが、おそらく数年後にはアニメーション作成ソフトは図工の授業で、インターネットは社会や理科の授業で使われるただのツールになるだろう。その時にパソコン教室はどうなっているだろうか。ただコンセントが沢山ある部屋でしかなくなるのか、それともユーザー側ではないエンジニアやプログラマーの卵が生まれるきっかけとなり、夢を与える部屋になるのか・・・どちらだろうか。

2007年11月30日  

エクセルのシート作り

 頼まれてエクセルのシート作り。込み入った注文を整理する受注票のようなものに製品マスターをくっつけて、品名を入れるとコードや定価が出てくるといういつものパターン。更にオプション数種類の料金も簡単に加算できるようにし、基幹システムに合わせて5行毎に背景色を変えたり(全面的に変えちゃうと下品になるから行番号だけさらっと変更)などと小技も効かせてみる。

 朝頼まれて夕方には一応ベータ版を納品。「凄い。エクセルって何でもできるんですねえ」と言われる・・・いや、まあ、たしかにエクセルの機能なんですが・・・

 仕事をしていたら内線が掛かってきた。

「○○○○○からお電話です」(アルファベットの羅列で初めて聞く名前)

出てみると「K○○○(良く聞く、携帯もやっている通信会社)です」と言い、通信カードの電話営業が始まった。通信カードを使うつもりはないので適当にあしらい、途中話が途切れたところでやや強引に「はい、ありがとうございました」と言って切った。

 1分ほどしてまた内線が掛かってきた。

「N○○(日本人なら誰でも知っている通信会社の名前)からお電話です」

一瞬さっきの奴がまた掛けて来たのかと思ったが、別の会社からだというので出た。すると

「さきほどのK○○○ですが、もう一点ありまして・・・」

とさっきの奴だった。通信会社の名前を聞き間違える社員はわりと多いのでそのときは何も言わず、でもこういう通信会社の電話営業が大嫌いなので適度に怒りつつ切った。あとで電話を取り次いでくれた事務に確認してみると、確かにN○○と名乗ったという。K○○○だと言うと出ないかもしれないからN○○と名乗ったのだろうか。万一問い詰められても「聞き間違いでは?」とシラを切られるのが落ちなんだろうな。しかし、よくライバルの名前で電話掛けられるよな。そもそも最初に名乗った名前も変だったしな。変といえば話し方も変だった。

 電話ではK○○○本社と言っていたが、きっと胡散臭い代理店なんだろうな。ナンバーディスプレイに番号が出ていなかったから最初から相手にするつもりはなかったが、なかなか新鮮な経験をさせてもらった。まともな通信会社や代理店は必ず番号表示で掛けてくる。番号表示なしの電話営業はいたずら電話のようなものだと思っている。

 夜は頼まれてDVDドライブの交換。いまどきは書き込み可のドライブばかりで、しかもそれが安くて5000円台で買えてしまう。でもそこで用途を絞ってDVD-ROMドライブを探して交換した。2980円。約2000円の節約。プラス2000円なら良い方・機能が多いほうを買うのが普通だろうが、そこをコストパフォーマンス重視で選択し、工夫で乗り切るのが仕事での使い方だ。

2007年11月21日  

プラグイン

 ブログのエントリーが増え、カテゴリー別の表示がだいぶ長くなったので Paged Archives というプラグイン(機能追加プログラム)を入れてページ分けされるようにした。

http://www.aldenbates.com/plugins/pagedarchives.html

 あと、各エントリーにカテゴリーが表示されるようテンプレートを修正した。カテゴリーが複数ある際の処理にやや手こずったが、なんとか完了。HTMLを手打ちしていた頃(実は今でもやっていて、昨日のエクセルの表も全部手打ち)の経験が生きる。

 何でも自動化の世の中だけど、手動を知っているから自動が便利なわけで。自動しか知らず手動では何も出来なくなってしまうのは退化ではないだろうか。

               
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